Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
猿橋は有名な橋。その橋のところへ来ると、往来の人が怖々と橋の左側の方ばかりを小さくなって駈けるようにして通るから、与力同心の面々が不思議に思って、
「ナゼ真中を通らぬ、橋がこわれているならナゼ普請をせぬ」
と言って咎めると、通りかかった男が、
「あ、あの通りでございます」
青くなって指さしをしたから、その指さしをしたところを見ると、欄干に細引が結えつけてあって、それから釣忍を吊したように何か吊してあるようです。何が吊してあるのかとよく見定めると人間が一人、四ツ手に絡んで高さ十七間の猿橋の真中から吊り下げてありました。
「こりゃ怪しからん、誰がこんなことをした」
「鳥沢の親分がこういうことをやりました」
「鳥沢の親分とは何者だ」
「鳥沢の粂という、このあたりに聞えた親分でございます」
「何者であろうとも、斯様な惨酷なことをするのを見逃しておくのは何事じゃ、ナゼ助けてやらぬ」
「粂が申します、これを解いてやった奴があれば生かしちゃ置かねえとこう申しますから、正直な土地の人は慄え上ってまだ手をつける人はございません」
「憎い奴じゃ、上を怖れぬ仕方、早く引き上げてやれ」
与力同心は仲間小者と力を合せて、この細引にかけて吊してあった人間を引き上げてやりました。