Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
「ああ、そうそう、かわいそうに、ムクにまだ夕飯をやらなかったのね」
お君も面を上げる。米友は立って障子をあけると、縁側に首をのせて、ムクが尾を振って鼻を鳴らしています。
「ムクや」
米友は直ぐに台所から食物を持って来て、ムクに食べさせました。
「ムクや」
尾を軽く振って夕飯を食っているムク。それを見ながら米友が、
「ムク、俺らは明日から奉公に行くんだぞ、君ちゃんは近いうち旅へ出るんだぞ、俺らはお前をつれて行くことはできねえが……そうだ、お前は君ちゃんに附いて行け、俺らの代りに君ちゃんに附いて行け」
こう言って米友の面が急に明るくなって、
「君ちゃん、君ちゃん」
「なに」
「旅へ出るにもムクはつれて行くんだろうな、ムクをつれて行っても親方は叱言を言やしないんだろうね」
お君は頷いて、
「ああ、それはいいんだよ、ムクにはこれから芸を仕込むなんて、親方も大へん可愛がってるから」
「それで安心した、行っておいで、行っておいで」
米友はホッと息をつきました。
三
米友が庭を掃いていると、木戸口をガラリとあけて入って来たのは十四五の少年であります。子供のくせに気取った容姿をして、小風呂敷を抱えた様子が、いかにもこまっちゃくれているが、よく見るとそれは甲州の山の中で金を探していた忠作でした。