Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Leggi 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 214.131 caratteri · 423 schermate
登りあぐねていた折助が、折重なってお角の方へ抱きついて来る。
「何をしやがるんだい、折助め」
剃刀を振ると、鼻梁を横に切られた折助の一人が、呀ッと言って面を押える、紅殻のような血が玉になって飛ぶ。
「この阿魔、太え阿魔だ」
大勢の折助が、お角ひとりに折重なり折重なってとりつく。
「何をしやがるんだい、お前たちの手に合うような軽業師とは軽業師が違うんだ、ざまあ見やがれ」
お角は血に染みた剃刀を打振って、群がり来る折助の面を望んでは縦一文字、横一文字に斬って廻る。けれども、多勢を恃む折助、賭博打、後から後からと押して来る。揉まれ揉まれてお角の帯は解けた、上着は辷り落ちる、それを引っぱる、引きちぎる。真白な肉。お角はその覚悟で、下には軽業の娘の着る刺繍の半股引を着けていた。剃刀一挺を得物の死物狂い、髪が乱れ逆立って、半裸体で荒れ狂う有様、物凄いばかり。しかし、いくら気が焦っても多勢の男に一人の女。お角の剃刀はいつか打ち落されてしまうと、忽ちに手取り足取り。
「口惜しイッ」
お角は歯噛みをしたがもはや如何ともすることはできません。こうしてお角を取って押えた折助どもは、忽ち胴上げにして鬨の声を揚げて表の方へ担ぎ出す。