Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
「あれ!」
と叫ぶ口を、竜之助は無雑作に押えてしまいました。女は箕を取落して、そこら一面に濛々と粉が散乱しました。
「お前は小泉という家を知っているか」
こう言いながら竜之助は、いったん固く押えた女の口を緩めました。
「はい……」
女は再び叫びを立てるほどの気力がありません。
「それはどこだ」
「小泉の旦那様は……」
「小泉の主人を尋ねるのではない、小泉の家にお浜という女があったはず、それをお前は知っているか」
「小泉のお浜様は……もうあのお家にはおいでがございません」
「どこへ行った」
「お嫁入りをなさいました」
「それから?」
「それからのことは存じませぬ」
「知らぬということはあるまい」
「存じませぬ」
「人の噂ではそれをなんと言っている」
「人の噂では……」
「気を落つけて、人の噂をしている通りを、わしに聞かしてくれ」
「人の噂では、お浜様はよくない死に方をなされたそうでございます」
「よくない死に方とは?」
「悪い奴に殺されたのだなんぞと、村では噂をしているものもありますけれど、わたしはそんなことは知りませぬ」
「悪い奴に殺されたと? どこで……」
「はい、お江戸とやらで殺されて、骨になったのを、こっそりとこの村へ届けた人があって、それでお浜様の幽霊が出るなんぞと若い衆が言っていますけれど、わたしなんぞは何も存じませんから、どうか御免