Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate

Aozora Bunko

お松は早くもその旅人ががんりきの百蔵であることに気がついて、ヒヤリとしました。

百蔵もまたズカズカと馬の傍へ寄って、お松に向って馴々しく口を利き出そうとした時に、前に手綱を曳いていた馬子が、不意に後ろを向きました。近寄って来たがんりきがハタと面を見合せたところ、おかしいことに、がんりきが甚だしく狼狽しました。ともかく相当の悪党を以て自任しているらしいがんりきが、この馬子の面を見ての狼狽て方は尋常とは見えません。

それがために、せっかくお松に寄ろうとして来たがんりきが、一言も物を言う遑がなく、タジタジとさがって苦い面をしたが、そのまま前へ突き抜けて、トットと早足に行ってしまう有様は、逃げて行くもののようであります。がんりきが、しかく狼狽するにかかわらず、馬子は、

「あははは、足の早い野郎だ」

と笑っていました。

なるほど、足の早い野郎で、忽ちに後ろ影さえ見えなくなってしまいました。

「お武家様、お前様は、あの男に見込まれなさいましたね、お気をつけなさらなくちゃあいけませんぜ、あいつは執拗い奴でございますからなあ」

「馬子どの、お前は、あの人を知っておいでなのか」