Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Leggi 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 264.133 caratteri · 524 schermate
「よいどころではございませぬ、さあさあこちらへ」
お松はお君のいるところへ訪ねて、一緒に見物をさせてもらいに来たのは、お君の方にとってはかえって願ったり叶ったりの喜びでありました。お君は嬉しがって、お松に半座を分けて与えます。
お君の方について来た女中たちもまた、喜んでこのお客を待遇しました。前の筑前守の使の者とは打って変って、打解けた気持でこの若いお客を待遇すことができました。
お松もまた、ほかに席があったのだろうけれども、わざわざここをたずねて見物を同じにさせてもらいたいほど、ここへ来るのを喜んでいました。
お君と並ぶようにして席を取って、馬場の人出を見渡したお松は、桟敷の方に目を注いでいるうちに何かに驚かされて、ただならぬ色を現わし、
「お君様、この御簾を少し下げようではありませんか」
総で絞った幕の背後に御簾を高く捲き上げられてあったのを、お君は今まで気がつきませんでした。
ちょうどその時に、相図の花火が揚りました。今日はこれから、今までに見られなかった流鏑馬がはじまるのであります。
花火の相図と共に、立烏帽子に緑色の直垂を着て、太刀を佩いた二人の世話係が東から出て来ました。