Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
「野郎!」
額の皺が緊張し、面の色が赤くなって、口から泡を吹きはじめました。しかしながら、ここまで込み上げたのをグッと怺えて、ただ金助の面を睨めただけで、その握った拳を、突き放しもしなければ打ち返しもしない。じっと泡を吹いたなりで我慢しているところは、さすがに米友も、いくらか修行を積んだものと見なければなりません。
それを、どう見て取ったのか、いい気になった金助はかさにかかって、
「何だい、貴様の面はそりゃ。両国の見世物にだって、近ごろ貴様のような面は流行らねえや。ちょっと見れば餓鬼のようで、よく見れば親爺のようで、鼻から上は、まるきり猿で、鼻から下だけが、どうやら人間になってらあ、西遊記の悟空を、三日も行燈部屋へ漬けておくとそんな面になるだろう。よくまあ、昼日中、その面をさげて大江戸の真中が歩けたもんだ、口惜しいと思ったら、親許へ持ち込むんだね、親許へ持ち込んで、雑作をし直してもらって出直すんだ」
この時分、あたりへようやく人だかりがしました。人だかりがしたから、金助は、いよいよ得意げに毒舌を弄して、米友をはずかしめようとするらしい。
「野郎!」
米友は歯をギリギリと噛み鳴らしました。