Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

けれどもそれは、誠意のある狼狽て方ではなく、不得要領はいよいよ不得要領な狼狽て方であります。

けれどもその時分の政治は、打てば響くような政治ではありませんでした。徳川幕府が亡びかかった時代の政治でありました。米が高くなろうとも、物価が上ろうとも、幕府の方では、あんまり干渉をしませんでした。いよいよの時までは成行きに任せておいて、何か出たら出た時の勝負というような政治でありました。

金持の連中もまた、儲けたい奴は盛んに儲け、儲けた上に莫大の配当をしました。そうして、大ビラで贅沢や僭上の限りを尽しました。蟻や蠅なんぞは踏みつぶして通る勢いでしたけれども、その蟻や蠅が多数を組んであばれ出してみると、唇の色を変えて周章狼狽した有様は、滑稽にもまた不得要領の現象でありました。

さすがに緩慢主義の幕府も、こう騒ぎ出されてみると、手を束ねてばかりはいられませんでした。同じ「近世紀聞」という本のうちに、

「其頃既に庄内藩には府下非常を誡めのため常に市中を巡邏あり、且つ南北の町奉行にも這回の暴挙を鎮撫なさんと自ら夥兵を従へつつ普く市街を立廻りて適宜の処置に及ばんとするに、貧民は早や食ふと食はぬの界に臨みたるなれば、各死憤の勢ありて小吏等万般説諭なせどもなかなかに鎮まらず、或は浅草今戸町その外処々の辻々へ貧窮人等が張札をして