Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

外の暴風雨よりも船頭の言い分が、お角にとっては決して穏かに聞えませんでしたから、躍起となって抗弁しました。

「船頭さん、お前、なんだかおかしなことを言い出したね」

お角に附添って来た庄さんという若い男も、堪り兼ねて喧嘩腰になりました。

「いいや、おかしいことじゃねえのです、今日に限ってこんなことになるのは、こりゃあ必定、船の中に見込まれた人があるのだ、その見込まれたというのはほかじゃねえ、船ん中でたった一人の女のお客様を、海の神様が嫉んでいたずらをなさるに違えねえのだから、お気の毒だがその人に出て行って、海の神様にお詫びがしてもらいてえのだ。なにも、こりゃ俺が無慈悲でいうわけじゃありませんよ、船の乗合みんなの衆のためですよ、もし、お前さんがみんなの衆の命を助けてやりてえという思召しがあるんなら、あの大昔の、あの橘姫の命様の思召しのように……」

と船頭がここまで言い出すと、お角は怺えられません。

「おっと、待っておくれ、待っておくれ、人身御供というのはそのことかね、つまり、わたしにその大昔の橘姫の命様とやらの真似をしろとおっしゃるんだね」

「それよりほかには、この難場を逃れる道がねえのだから、お前さんにはお気の毒だが、乗合の衆のためだ。