Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
しかし、こうなってみると、これから後、どこまでムク犬が逃げ了せられるかどうかは疑問であります。武家屋敷の召使や附近の百姓らは総出で、狂犬のあとを追うべく、山や、林や、畑から、巻狩のような陣立てをととのえたのは、それから長い後のことではありませんでした。
左の肩先を犬に噛まれた神尾主膳は――一時それがために倒れて気絶したように見えました。駈け寄って介抱したもののために、直ぐに正気はつきましたけれど、それがために主膳の怒りは頂上に達し、
「憎い非人ども!」
威丈高になって、今しも、ムク犬を追って、外へ出ようとする犬殺しを呼び留めました。
「へいへい」
そこへへたへたと跪まる犬殺しどもに、
「貴様たちは言語道断の奴等だ、このザマは何事だ」
「誠に申しわけがござりませぬ、温和しそうな犬でございましたから、決してこんなことはなかろうと思いまして」
「黙れ! 馬鹿者」
主膳は肩先に療治を受けて布を捲いてもらいながら、そのにえたつような憤懣を、犬殺しどもの頭から浴びせかけました。犬殺しどもは恐れ入って顔の色はありません。
「もとはと言えば貴様たちの未熟だ、犬にも劣った畜生め、どうしてくりょう」