Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
それと、面白いことは、神尾の前に晩酌のお相手をしているのが、勝沼の宿屋にいた、もとの両国の女軽業の親方のお角であることであります。
「お角、お前はそんなに金が欲しいのか」
神尾は盃を置いて、お角の面を見ました。
「御前、ほんとに、わたしは今となってお金があったらと思います、何をしようにもお金がなくては動きが取れません、全く水気の切れたお魚のようなものでございます」
「それは御同前だ」
と言って、神尾は苦笑いをしました。
「殿様などは失礼ながら、お金をお持たせ申せば、直ぐに使っておしまいなさるけれども、わたしなんぞはそうではございません、それを資本に、一旗揚げてみようというのでございますから、全く心がけが異いますよ」
「全く頼もしい、お前に金を持たせれば、何か一仕事やるだろう、そこは拙者も見ているけれど、残念ながら金は無い、拙者は金がない上に、世間に面向けもできん、うっかりすると命までなくする」
「それでございますからね、わたしが少し資本を工面しさえしますれば、殿様にも御不自由をおさせ申さないようにして上げますし、そのほか、困っているお方には相当に貢いでお上げ申すのですけれど」