Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate

Aozora Bunko

自分の身体を墨で塗り、荒縄で鉢巻をし、細い竹の棒を手に持って、人の店頭に立ち、

「ヘエ、丹波の国から生捕りました荒熊でございッ、ひとつ、鳴いてお目にかける、ブルル、ブルル、ブルル」

これが、荒熊の持っている芸当の総てであります。ほかの芸人は、それぞれ相当の苦心と、思いつきと、熟練とをもって相当の稼ぎをするのに、この荒熊の芸といってはそれよりほかに何物もないから、籠抜けの伊八が一議に及ばずこれを忌避したのは無理もなく、忌避された当人もそれですましている。

「籠さん、あっしじゃあ、いかがでゲス」

これから夜の稼ぎに出かけようとした阿房陀羅経の寸箆坊が、荒熊に代って口をかけてみると、

「おやおやお前も、四十二万六千石という格じゃあねえ、黙っておいで」

「おやおや」

阿房陀羅経は苦笑いして出て行ってしまいます。

「何しろ、芸州広島の大守、四十二万六千石、浅野様のお下屋敷から、俺らの芸をお名ざしで御贔屓だ、籠抜け一枚でも曲がねえと思うから、誰かこの仲間にお相伴をさせてやりてえと思うんだが、いずれを見ても道楽寺育ちだ、荒熊でいけず、阿房陀羅でいけず、そうかと言って縄衣裳の親方や、仮声使いの兄貴でも納まらねえ、なんとか工夫はあるめえかな」