Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Leggi 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 262.120 caratteri · 516 schermate
しきりに腹を立てて見ている額面には、なるほど、初筆から三番目あたりの門弟の人の名の上に、無惨に白紙が貼りつけてあるのであります。老爺はその時、前の言葉をついで、
「あれはお客様、なんでございますよ、どなたもみんな、あれを御覧になると、そうおっしゃいますんでございますが、皆さん御承知の上で、ああいうことになすったんでございますから仕方がありませんので」
「エ、みんな承知の上だって? 承知の上でああして貼りつぶしちゃったのかい」
「ええ、左様でございます、あの下に、机竜之助相馬宗芳というお方のお名前が、ちゃんと書いてあるんでございます」
「何だって? 机竜之助……」
がんりきの百は面の色を変えました。釜の前に立っていた老爺は、わざわざ縁台の方へ歩き出して来て、
「剣道の方のお方が、ここへおいでになってあれを御覧になると、どなたもみんな惜しい惜しいとおっしゃらない方はございません、なかには涙をこぼすほど惜しがって、この下を立去れないでいらっしゃるお方もございます」
「うーん、なるほど」
がんりきは何に感心したか、面の色を変えて唸り出し、改めてその紙の貼られた額面を穴のあくほど見ています。