Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Leggi 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 242.044 caratteri · 477 schermate
「神様ノ一人子トハ?」
「神様が人間の罪をお憐みになって、その一人子を天からお降しになって、人間の罪の贖いをなされました。それ故、基督様は十字架につけられて、人間の罪の代りに殺されておしまいになりました救世主でございます。この救世主によらなければ、人間の罪は救われませぬ。救世主のお生れになった年ですから、この世の年号の初めとするのがあたりまえでございます」
駒井が鉛筆で問うことを、少年は口で明瞭に答えるところを見ると、この少年の耳は用を為さず、口だけが自由を有する少年、つまり唖ではないが、聾でありました。
駒井は次に何を問わんかとして、鉛筆を控えて、その問い方に窮したのです。そのころ第一流の新知識としての駒井が、西洋諸国がことごとく耶蘇紀元を用いていることを、事新しくこの少年に向って問わねばならぬ必要はない。といって、知っているようで知らないのは自分の知識である。いちいち明瞭に答えられてみると、閑談のつもりで相手にしていた相手から、かえって自分が苦しめられるような結果になる――つまり、赫々たる功業もなく、帝王の家にも生れなかった、大工の子の生れた時から、西洋の歴史が始まるという、この単純な事実の解釈が、どうしても駒井の頭で消化しきれなくなったのです。