Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てんぽうのひこうじゅつ

天保の飛行術

野村 胡堂

Leggi 天保の飛行術 (てんぽうのひこうじゅつ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.024 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

お前のような狐野郎に未練もなんにもあるわけじゃないが、することがあんまり薄情で悪どいから、一度はその面の皮をヒン剥いてやる気になったのさ」

「嘘だ、嘘だ」

「嘘で書いた誓紙を、奥村様にお目にかけようか」

「――――」

「奥村の殿様にも言い分はあるよ、私の父親を騙して三十年越し、白山の奥に封じ込み、人間らしい暮しもさせなかったのは一体誰のせいだい」

「黙れッ」

鉾先が自分の方に向くと、奥村主殿はカッとなりました。

「黙らないよ、百二万石の加賀様が、飛行機の仕上げに力瘤を入れるに不思議はない、それは軍用に大事なものになるから――それならそれでもう少し父さんを大事にする工夫が無かったのかい、可哀想に三十年も恐しい山の中に封じ込め、漸く飛行具が出来上ると、今更公儀隠密に睨まれるのが恐しくなり、飛行具の仕掛けを、鶴次郎に盗ませた上、幸吉に用事は無いという仕向けは、それは一体誰の指金なんだい」

「黙れ黙れッ」

「此の間から父さんが、何べんも何べんも殺されかけたのを、娘の私が知らないと思うのか」

「えッ、黙らないか」

「あまりの事に金沢の城下へ行って、じきじき殿様に逢って文句を言おうと思う私を、気違い扱いにして囲いに打ち込み、人もあろうにその野狐野郎の鶴次郎を番人に付け、散々イヤな事を見せ付けたのは誰だえ」