Classici giapponesi con furigana
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てんさいけいまい
天才兄妹
野村 胡堂
Leggi 天才兄妹 (てんさいけいまい) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9891 caratteri · 20 schermate
「貴方は本当の芸術家だ――イエイエ私の偽物のストラドヴァリウスは、打ち壊しても惜しくはありません。私はもう強盗団の眼をのがれて、明日は米国行の船に乗ります。これがお別れになるでしょう――お嬢さん、失礼ですが、せめてこれだけ記念に受取って下さい。貴方のお嫁入の仕度の一部に――いやいやピアノの研究に洋行なさる費用の一部に……」
卓の上からかき集めた十箇のダイヤの内一番小さい、けれども一番美しいダイヤを一粒、信子の手に転がし落して、辞退をする暇もなく、
「左様なら皆さん」
ベーカーの姿は昼も薄暗い道具裏へ消えてしまいました。
「あの西洋人もエライが、君もエライ、今日という今日、俺は本当の愛国者と、それから本当の芸術家と、それから本当に兄を思う美しい妹を見たよ」
香椎六郎も、感歎の声をあげて、友人の高貴な顔を仰ぎました。そして信子の可憐な清純な姿にその濡れた眼を移しました。
十五分の休憩が一時間近くなって、聴衆は割れ返るような騒ぎでしたが、
その日の第二部「メンデルソンのホ短調の司伴楽」の美しさに、帝劇一杯の客は、涙ぐましいまでの感激に打たれました。
第三部の小曲の美しさも、言うまでもありません。