Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Leggi 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.249 caratteri · 62 schermate
平次は素直に訊くと、
「姉さんがお気の毒ですよ、兄はあの通りクセが悪いのですから」
少しニヤニヤしているのです。道楽者の自分にも兄の放埒が眼に余ったのでしょう。
「その御内儀さんは、人に殺されたのかもしれない、お前に心当りはないのか」
「とんでもない、あの離屋へ入って、殺せるわけはありません」
金三郎はそれを信じようともしないのです。妾のお万は、自分の部屋でフテ寝をしておりました。下女のお鉄に叩き起させると、
「こんな夜中に、なんの用事があるというのさ。冗談じゃない」
寝巻の上に半纏を引っかけて、ぷんぷんとして出て来るのでした。三十前後の頽廃的なポーズと声とを持った女で、いちおう美しくあるにしても、それ以上に悩ましく厄介な感じです。
「御新さま、――銭形の親分ですよ」
「銭形がどうしたというのさ、悪い事をした覚えのないものが、ビクビクしてたまるものかねえ、馬鹿馬鹿しい」
水茶屋の茶汲女で年を喰って、酔っ払いも武家も、御用聞も博奕打も、物の数とも思わぬ面魂です。
「――」
平次はその自堕落な顔をジッと見ておりましたが、なんにも言わずに引揚げてしまいます。
「どこへ行くんです。