Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Leggi 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.249 caratteri · 62 schermate
廊下の有明に照らされて、それは哀れにも痛々しい姿ですが、今はそんなものに取合っている隙もなく、八五郎は精いっぱいの智恵を絞りました。
この上は道具を持って来て壁に穴をあけるか、二枚の板戸をモロに倒すか、土台下を掘るか、屋根を剥ぐよりほかに工夫もありません。
「お嬢さん、退いた」
お君を退かせておいて、二三歩退った八五郎は、渾身の力を肩にこめて、一方の板戸に突きをくれました。が、大男の八五郎が力一ぱい身体を叩きつけても、板戸は貧乏ゆるぎもしない。
「畜生ッ、これでもかッ」
続け様に二つ三つやったところへ、
「いったいどうしたことだ、冗談じゃない」
店から番頭の為之助が、二階から主人の弟の金三郎が、そしてお勝手から下女のお鉄が一ぺんに飛んで来ました。八五郎の体当りと掛け声が、町内一ぱいに響きわたるほどの凄まじさだったのです。
「変な声がするんだ、ここをブチ破るほかに術はねえ」
「あ、八五郎親分」
番頭の為之助は、薄暗いうちでも、八五郎とわかったらしく、一緒になって板戸を押しましたが、これがまた恐ろしく頑丈で、大の男二人の力でも、打ち破る見込みもありません。
「こんなことじゃ駄目だよ、待ってくれ、道具を持って来る」