Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おくのうみ

奥の海

久生 十蘭

Leggi 奥の海 (おくのうみ) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.005 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

「そんな法令があるわけはない。また、あっていいわけのものではない」

盛岡領の宮古、釜石、大槌の浦浜で銛をうたれ、死んだり手負いになったりした鯨は、潮の加減で、この沖へ流れつくようになっている。

代々、白並の漁師原は羽矢銛一つ持たずに利を得て来たが、寄り鯨にすると、浜役人の手にかかるので、流れ鯨を沖で切刻んで切り鯨にし、津軽や松前へ持って行って金穀に替えてしまう。浜役人は白並とは言わない。白浪といっているくらいだが、いくら厳しく取締ってもやめないので、いきおい法令も苛酷にならざるをえなくなった。

「こんどの隠し鯨は、御船手付の船頭と舟子が、藩船を使ってやったという、性の悪い事件で、お船方は総体打首。お船手御小人は切腹を申付けられることになろう……。もっとも、口書をとって盛岡へ送り、御用部屋へおさまるまでには、早くとも三日はかかる」

川村孫助は、津軽の三厩から、松前まで半日の船旅にすぎないから、逃げ足の早いやつなら三日もあれば蝦夷の奥までも行けるだろう、という意味のことを言っているのだが、金十郎には通じなかったらしい。番所の窓から雪もよいの暗い海の色をながめていたが、