Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おくちちぶ

奥秩父

木暮 理太郎

Leggi 奥秩父 (おくちちぶ) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5255 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

それよりもあの素朴な態度と敦厚な人情、不自由に安んじて物に屈托しないゆったりした心がまえ、それらをこそ何と勝手にも私どもは、常に山村の人達に期待し要求している。そしてそれが叶えられ満たされた場合に、初めて美しい或は懐しい山村として、人に語りもし又世に伝えもするのである。しかも私は恵まれない環境に在りながら、私どもの勝手な要求を充たして尚余りある多くの山村を知っている。これはまこと哀しい世相ではあるまいか。私は此等の人達から知らず知らずの間に受けた多くの教について、いつも感謝している。

興味ある伝説やローマンスの如きも、私が丹念に探さぬ為であろうか、余り耳にしたことがない。尤も多摩川上流の村々には平将門に関する伝説が可なり多いけれども、詳しくは伝わっていないのである。唯三峰のお犬様に就いて聞いた所を記して見よう。

前にも一寸書いたように、三峰といえば名高いもので、恐らく関東では誰知らぬ人もあるまいと思う。今でも田舎へ行くと門の柱や家の入口に三峰講と書いた古い木札が打付けてあるのを見懸るであろう。元は何万という信徒があって、関八州は申すに及ばず、甲州や信州方面からも講中が陸続と参詣して、お山の繁昌は五十八町の登路を人で埋めたこともあったという。