Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Leggi 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.011 caratteri · 94 schermate

Aozora Bunko

その代り、松月館の方へ、あんたの名前でかなり出資してあるが、それは僕の名前に変えます。手続きはみな、松木君と僕とでするから、承知しておいて下さい。」

「分りました。」と千代乃は答えた。

柿沼は娘の弘子を呼んで、何か言いつけた。やがて、弘子は風呂敷に包んだ物を持って来た。

「これは、あんたのものですね。お返ししましょう。」

風呂敷をあけてみると、着古した紫繻子の冬コートだった。たしかに千代乃のもので、どうして置き忘れたか、新調の品と着換えて脱ぎ捨てたのか、よく覚えていなかった。千代乃はそれを風呂敷に包んで、お時儀をすると、弘子も極りわるげにお時儀をした。

「僕はちょっと用があるから、お送り出来ないが、よろしいところまで自動車で行って下さい。代金はいつも事務所の方ですますことになっているから、心配いりません。」

体よく追い払われた形で、千代乃はコートをかかえて自動車に乗った。

自動車のなかで、やがて、彼女は腹が立ってきた。どうにもならないほど、口惜しさが胸元にこみあげてきた。自分の意志はなに一つ働かず、まるで木偶のように扱われてしまったのだ。仏壇を拝ませられた上に、古いコートをお時儀して受け取り、それをかかえて、まるで女中のように出て来てしまった。