Classici giapponesi con furigana
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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
Leggi 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.011 caratteri · 94 schermate
――彼女は、芝公園の近くで自動車を降り、運転手に心附けも与えず、公園の中にはいって行き、人通りのないのを見計らって、コートの風呂敷包みを路傍に叩きつけた。自分自身が穢らわしかった。
その夜、彼女は柿沼への復讐を考えた。柿沼を殺してやろうかとも思った。ほんとに殺してやろうかと思った。なかなか眠られず、夜明け近くなってうとうとした……。
千代乃の飛び飛びの話を綴り合して、だいたい右のように、長谷川は理解した。
「それだけで、ほかになんにもなかったんですね。」
「ほかにって、どういうことですの。」
「いや、それだけのことなら、却ってさっぱりしていいじゃありませんか。柿沼さんらしいやり方だけれど、後腐れがなくていい。」
千代乃は刺すような眼付きを、長谷川に据えた。
「長谷川さん、あなたも、わたしをさげすんでいらっしゃるのね。そうでなければ、そんなこと仰言るわけはありません。」
「どうしてでしょう。僕にはよく分らないけれど……。」
「なぜ、ひとを騙して、お線香なんかあげさしたんですか。」
「別に騙したわけじゃなく、初めからそう言ったんでしょう。」
「銀行預金だの、家屋だの、出資だの、そんなことを、どうして言う必要がありますか。