Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate

Aozora Bunko

「夢ですよ。君がその事ばかり気にしているものだから」

守青年は品子の父と同じ様な意見を述べたが、それは相手を安心させる口先ばかりであって、内心ではある恐ろしい疑いを抱いていた。桁はずれの悪魔を、常規で律することは出来ない。それが信じ難い出来事であればある程、却って用心しなければならないのだ。

彼は帰りがけに、品子に気づかれぬ様に注意しながら、ソッと庭に降りて、彼女の寝室の窓の下へ行って見た。

「探偵さん」の彼は、そこの地面に何かの痕跡を予想していたのだが、行って見ると、果して果して、そこには余りに明白な悪魔の足跡が残っていた。

丁度問題の窓の下の辺りに、棒の先でつけた様な穴が二つ、一尺五寸程の間隔を置いて、ハッキリと地面に残っていた。

梯子を立てかけた跡だ。

蠍が梯子を使用したのだろうか。あの巨大な妖虫は、まるで人間の様に、梯子を登って寝室の窓を覗いたのであろうか。

守青年はいつか、その庭園の一隅の物置小屋の中に、梯子が入れてあるのを見たことがあった。ふと「あの梯子かも知れない」と気づいたので、その物置に入って調べて見ると、案の定、梯子の脚に、まだ生々しい土が附着していた。