Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ようちゅう

妖虫

江戸川 乱歩

Leggi 妖虫 (ようちゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.290 caratteri · 239 schermate

Aozora Bunko

、医師の介抱にやや元気を恢復した所へ、桜井家から、品子さんが誘拐されたとの電話を受けたのであった。

「畜生! とうとうやりやがったな。……お父さん、僕はもう大丈夫です。すぐに桜井さんへお見舞いに行こうじゃありませんか」

守は非常に昂奮して、床からはね起きると、いらだたしく父操一氏をせき立てた。

操一氏は桜井栄之丞氏とは私交上でも事業関係でも、此上もない親密な間柄であったから、守に云われるまでもなく、見舞いに駈けつけなければならなかった。そこで、相川父子は直ちに車を命じて、桜井家を訪ねたという次第であった。

同じ様に最愛の一人娘を奪われた中老の父親、相川氏と桜井氏とが、どの様な感情を抱き、どの様に目と目を見合わせ、どんな挨拶を取り交したか、ここにその一々を記すまでもないことである。

相川父子に踵を接して、警視庁の蓑浦捜査係長が再び訪れて来た。異様な会議室の人数は段々殖えて行くばかりであった。

「蓑浦君、待ち兼ねていた。手掛りは? 賊の手掛りは?」

桜井氏が、警部の顔を見るより叫ぶ様に訊ねた。

「賊の自動車が発見されたのです」

係長は、一向浮かぬ顔付で、そこの長椅子に腰かけながら答えた。