Classici giapponesi con furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Leggi 妻の座 (つまのざ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 82.695 caratteri · 165 schermate
その危惧をミネはまたミネとして何となく感じていながら、それを貞子の、こまやかな心づかいであり、女としての閑子への思いやりとも理解していた。しかもお互いの遠慮心はその感情の外を流れる奔流にさらわれてしまったのである。その時も野村は相当に迷ったらしく、貞子に手紙をよこしていた。閑子の容貌が野村の妹にあたるひどくケチンボの女に似ているというのである。そこで、閑子がその心までケチンボに似ていたら甚だ困るのだが、その点どうだろうと聞いてきたのだ。その時にも貞子はいった。
「きれいな奥さんだったからね。」
もうだめだとミネは、直感した。
「この話、一応打ち切りましょう。その方がいいと思うわ。」
誘い出されて貞子の家の方へ歩いてゆきながら、ミネがはっきりそういうのへ、
「でも、ほんとはどうなの。」
と、貞子自身甚だいやな回り合せを意識した笑いを浮べて聞きかえした。
「聞かれてからいうの、何だか私いやよ。わかるでしょ。」
「わかるわよ。私だって仕方がないから聞くのよ。」
「わかるわ、それも。でもね、本当はあの妹はケチンボではないのよ。どうかするとなさすぎて、困るくらいなこともある。