Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つまのざ

妻の座

壺井 栄

Leggi 妻の座 (つまのざ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 82.695 caratteri · 165 schermate

Aozora Bunko

」

「姉さんは、わたしの方が悪いと思うの。」

くちびるをふるわせて問題からはずれたことを閑子はいう。

「どっちが悪いとかいいとかじゃないさ。そりゃあ、うわっつらを考えたら野村さんて人は歯がゆいさ。いつまでも死んだ人にかかずらっているなんて、人生を後ろむけに歩いてることになるもの。新しい生活をもり立てようとしないでさ。それではいつがきても前に進まない――」

「だから死にたい、死んで奥さんのところへゆきたいってかいてある。」

「まさか、いくらなんだって、それじゃあもとも子もない。」

「だってほんとだもの。私がうそをついてると思う?」

またいきり立ちそうなのをあわてておししずめるように、ミネは小さな声になり、きげんをとるようにいった。

「そんな男ならよけいあきらめいいじゃないか。閑ちゃんには悪いけどもさ、もどってよかったってことになるわよきっと。だから、あきらめなさいよ。」

「もちろんよ。だから戻ってるじゃないの。今ごろは奥さんの位牌を抱いてねてるわよ。」

閑子の言分はミネにがっかりぐせをつけて、そうなるともう言葉がつづかなかった。しかし、これが血をわけた自分の妹なのだ。