Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Leggi 孤島の鬼 (ことうのおに) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 181.795 caratteri · 359 schermate

Aozora Bunko

麻縄の切口

だが、同じ幸運が私達にも恵まれたであろうか。

麻縄の切口

画工フェデリゴと違って、私達は神を祈ることをしなかった。その為であるか、彼等の様に、たやすく糸の端を見つけることは出来なんだ。

一時間以上も、私達は冷やかな地底にも拘らず、全身に汗を流して、物狂わしく探し廻った。私は絶望と、諸戸に対する申訳なさに、幾度も、冷い岩の上に身を投げて、泣き出したくなった。諸戸の強烈な意志が、私を励ましてくれなかったら、恐らく私は探索を思い切って、洞穴の中に坐ったまま、餓死を待ったかも知れない。

私達は何度となく、洞窟に住む大蝙蝠の為に、蝋燭の光を消された。奴等は不気味な毛むくじゃらの身体を、蝋燭ばかりではなく、私達の顔にぶっつけた。

諸戸は辛抱強く、蝋燭を点じては、次から次と、洞窟の中を、組織的に探し廻った。

「慌ててはいけない。落ちついていさえしたら、ここにあるに相違ないものが、見つからぬという道理はないのだから」

彼は驚くべき執拗さで、捜索を続けた。

そして、遂に、諸戸の沈着のお蔭で、麻縄の端は発見された。だが、それは何という悲しい発見であったろう。

それを掴んだ時、諸戸も私も、無上の歓喜に、思わず小躍りした。