Classici giapponesi con furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Leggi 孤島の鬼 (ことうのおに) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 181.795 caratteri · 359 schermate
そんな際誰も私の無躾をとがめる者はなかった。隠亡が、金火箸で乱暴に灰の塊をたたき割るのを見た。そして、彼はまるで冶金家が、坩堝の金糞の中から何かの金属でも探し出す様に、無雑作に、死人の歯を探し出して、別の小さな容器に入れていた。私は、私の恋人が、そうして、まるで「物」の様に取扱われるのを、殆ど肉体的な痛みをさえ感じて、眺めていた。だが、来なければよかったなどとは思わなんだ。私には最初から、ある幼い目的があったのだから。
私はある機会に、人々の目をかすめて、その鉄板の上から、一握りの灰を、無残に変った私の恋人の一部分を盗みとったのである。(アア、私は余りに恥かしいことを書き出してしまった)そして、附近の広い野原へ逃れて、私は、気違いみたいに、あらゆる愛情の言葉をわめきながら、それを、その灰を、私の恋人を、胃の腑の中へ入れてしまったのであった。
私は草の上に倒れて、異常なる昂奮にもがき苦しんだ。「死にたい、死にたい」とわめきながら、転げまわった。長い長い間、私は、そこにそうして横わっていた。だが私は、恥かしいけれど死ぬ程強くはなかった。或は、死んで恋人と一体になるという様な、古風な気持ちにはなれなんだ。