Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Leggi 孤島の鬼 (ことうのおに) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 181.795 caratteri · 359 schermate

Aozora Bunko

どんな悪魔だってこれじゃ近寄れないね。ウフフ」

彼はやや元気を恢復している様に見えた。

私はその辺を行ったり来たりしながら、さっきチラッと見た諸戸のことが気になるので、広い砂浜を、あちらこちらと、物色したが、どこへ行ったのか、彼の姿はもう見えなんだ。それから、私は深山木の所から二三間離れた場所に立止って、暫くの間ボンヤリと、飛込台の青年達の妙技を眺めていたが、少したって、深山木の方を振向くと、彼は子供等のたんせいでもうすっかり埋められていた。砂の中から首だけ出して、目をむいて空を睨んでいる様子は、話に聞く印度の苦行者を思出させた。

「おじさん、起きてごらんよ。重いかい」

「おじさん、滑稽な顔をしてらあ。起きられないのかい。助けて上げようか」

子供等はしきりと深山木をからかっていた。だが、いくら「おじさん」「おじさん」と連呼しても、彼は意地悪く空を睨んだままそれに応じようともしなかった。ふと時計を見るともう十二時を二分ばかり過ぎていた。

「深山木さん。十二時過ぎましたよ。とうとう悪魔は来なかったですね。深山木さん、深山……」

ハッとして、よく見ると、深山木の様子が変だった。