Classici giapponesi con furigana
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ちいさきりょうしん
小さき良心
Leggi 小さき良心 (ちいさきりょうしん) di Kajii Motojirō (梶井 基次郎) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5366 caratteri · 11 schermate
耳に鳴りはためく焔のような物音をききながら無暗にあるいていた。自分はあんな木の端のような男のために、そして下らない喧嘩のためこのように気が上釣ってしまうのが腹立たしかった。これであちらがどっしりしていては悲惨だ。せめて俺を一心に呪っていればいい。歯切りして口惜しがっていればいい。一途に悔いていればいい。その致命的な傷のために。
しかしあるく毎になにか高くに上ってしまったものが少しずつ下って来たような気がする。一体何のための昂奮なんだろう。
シャツとさるまたの若者達が道の真中で棒押しをしている。そのあちらには明るい通りがある。それは市場だった。奥さんと一緒に銀杏を買いに寄ったことのある市場だった。京極からは何程も離れていない市場だった。はじめて自分はどんな町をあるいているかがはっきりした。明るい街はいけない。人に面を見られちゃならない。
何だか追手がくるような気がする。追手がきたって平気なはずであるのに俺はなぜこんなことまで怖れているのかと思う。しかし自分には対手にまた出喰わすとか追手につかまるとかいう事の漠とした恐怖がある。自分は自分の方の正義の意識と独立に、そういう事柄に対する恐怖を持っているのだ。