Classici giapponesi con furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Leggi 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) di 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.097 caratteri · 267 schermate
『そなたも知る通り、俺は自尽して果てたのじゃが、この自殺ということは神界の掟としてはあまりほめたことではないらしく、自殺者は大抵皆一たんは暗い所へ置かれるものらしい。俺も矢張りその仲間で、死んでからしばらくの間何事も知らずに無我夢中で日を過した。尤も俺のは、敵の手にかからない為めの、言わば武士の作法に協った自殺であるから、罪は至って軽かったようで、従って無自覚の期間もそう長くはなかったらしい。そうする中にある日不図そなたの声で名を呼ばれるように感じて眼を覚ましたのじゃ。後で神様から伺えば、これはそなたの一心不乱の祈願が、首尾よく俺の胸に通じたものじゃそうで、それと知った時の俺のうれしさはどんなであったか……。が、それは別の話、あの時は何をいうにも四辺が真暗でどうすることもできず、しばらく腕を拱いてぼんやり考え込んでいるより外に道がなかった。が、その中うっすりと光明がさして来て、今日送って来てくだされた、あのお爺さんの姿が眼に映った。ドーじゃ、眼が覚めたか?――そう言葉をかけられた時のうれしさ! 俺はてっきり自分を救ってくれた恩人であろうと思って、お名前は? と訊ねると、お爺さんはにっこりして、汝は最早現世の人間ではない。