Classici giapponesi con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Leggi 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) di 正岡 容 (まさおかいるる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.270 caratteri · 325 schermate
フーッと吸い込むこの部屋の空気のひとつひとつさえが小圓太には黄金白金にもまさるようおもわれた。嬉しくて嬉しくて何べんも涙があふれそうになってきた。だから、だから、しっかりやるんだ、やるともさ、やらなくってよ――とたのもしく小圓太は心に自問自答していた。
「じゃ師匠何分お願い申します、どうかひとつみっちり仕込んでおくんなすって」
ややしばらく仲間の話、席亭の話、取り止めもなく喋りちらしたのち例によってそそくさ立ち上がりながら親父の圓太郎はもういっぺん改まってこう頼んでかえっていった。
すなわちその日から小圓太は、ハッキリとした二代目三遊亭圓生の内弟子となった。
内弟子は他に誰もいなかった。おしのどんという縮れっ毛の女中が一人いるきりだった。
お神さん――。お美佐さんという三十三、四になる美しいがつんとすました背の高い御殿女中風のひとだった。黒襟の袢纏か何かで洗い髪に黄楊の横櫛という、国貞好みの仇っぽいお神さんを想像していた小圓太は大へん意外のような心持がした。お美佐さんはこの近くの何とかいう御家人の娘だったのを、何でもこの人でなくてはと、何年か前師匠がいろいろに手を尽して貰ってきた。