Classici giapponesi con furigana
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ジェンナーでん
少年倶楽部名作選3 少年詩・童謡ほか
小酒井 不木
Leggi 少年倶楽部名作選3 少年詩・童謡ほか (ジェンナーでん) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.799 caratteri · 27 schermate
「わしは、牛の乳をしぼって暮らしていますだ」と、いなか言葉で答えました。
その地方は牧畜がさかんで、住民は多く牛を飼い、したがって女たちは搾乳に従事していたのであります。
ジェンナーはそのときまだ二十歳にならぬ青年でしたが、ていねいに診察してから、
「おまえさんは熱がある。多分風邪だと思うが、いま世間では疱瘡がはやっているから、気をつけねばいけないですよ」といいました。
「疱瘡なら、わしは心配しなくてもよろしいだ」と、女は言下に答えました。
「え? なぜ?」
「わしは、このあいだ、牛の疱瘡が、これこのとおり手にうつりましただ。ですから、もう疱瘡にはかかりませんて」
こういって女は、手の甲の、牛の疱瘡にかかったあとを見せました。
ジェンナーは不審に思いました。乳をしぼる女が牛の疱瘡にかかって、手にできものをつくることは、よく知っていましたけれど、牛の疱瘡にかかったものが、人間の疱瘡にかからないということを聞いたのははじめてだったからです。
「でも、牛の疱瘡と人間の疱瘡とは性質がちがうではないかね」とジェンナーはたずねかえしました。
「性質がちがうか、どうだか、わしは知りませんだが、わしひとりでなく、みんながそういっていますだ」