Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やまだちもんどう

山だち問答

山本 周五郎

Leggi 山だち問答 (やまだちもんどう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.163 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

尤も芝居めかすからいいので、これが日常ふつうの挨拶でやったら却って妙なものかも知れない、などとも思った。そして、賊どもがぐるっと前後をとり囲んだとき、彼はしずかに巨漢に向って云った。

「話はよくわかった、貴公たちの申し分はよくわかった、それが掟というなら身ぐるみ脱いでゆきたいが、自分は御しゅくんの御用で彦根までまいる途中だ、ここで裸になっては御用をはたすことができない」

「人にはそれぞれ用のあるものだ。これはそんな斟酌をする関ではないぞ」

「そこで相談をしたいのだ」玄一郎はふところから金嚢を取り出し、巨漢の手に渡しながら云った、「……この中に二十金ほど入っている、まず是れを渡すから衣服大小はみのがして貰いたい、もしみのがすことがならぬというのなら、彦根から帰るまで自分に貸して貰えまいか」

「貸して欲しい、それはどういうわけだ」

「御用をはたせばすぐこの道を帰って来る、おそくも明後日の夜には戻って来る、そのとき衣服大小を渡すと約束しよう」

「ばかなことを云うやつだ」槍を持った男がわっはっはと哄笑した、「……そんなたわごとを真にうけて、おおそうかと貴様の帰りを待っていられるか、そんな子供だましに乗るわれわれではないぞ」