Classici giapponesi con furigana
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やまだちもんどう
山だち問答
山本 周五郎
Leggi 山だち問答 (やまだちもんどう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.163 caratteri · 32 schermate
四
……そしてしきりに郡の家の門へ、落首や嘲罵の文句を書いた紙が貼られた。
二十日ほど経った或日、佐田権太夫がいかめしい顔をして訪ねて来た。ふきげんに眉をしかめ口をへの字なりにして、相対して坐った玄一郎をじろじろと見上げ見下ろした。
「世間の噂があまりひどいのでたしかめに来た。伊吹山で山賊に遭い、手をつかねて身ぐるみ剥がれたというのは事実か、おそらく嘘であろうがどうだ」
「嘘ではございません殆ど事実です」
「そうか、事実か」権太夫は口をねじ曲げ、噛みつきそうな眼でこちらを睨んだ、「……では念のために訊くが、どうしてさようなみれんなまねをしたか、なにか所存があってしたことかどうか説明して貰おう」
四
「特に所存というほどのこともございませんが」と、玄一郎は悪びれた風もなく答えた。
「……お上の御用を仰付かってまいる途中のことで、御用をはたすまでは大切な躯ですから、できるだけの争いは避けたいと思いました」
「それが身ぐるみ脱いだ理由か」
「そうです、争いを避けるためには、どうしても衣服大小を渡すと約束しなければなりませんでした」
「それは往きのことであろう、御用をはたした帰りには他にとるべき手段があった筈だ」