Classici giapponesi con furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Leggi 山の人生 (やまのじんせい) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.022 caratteri · 226 schermate
こんなところまで格別の用もないのに、稀には山人が出向いてきて人を見ていたのである。神隠しの風説などの起りやすかったゆえんである。
それから少なくとも我々に対して、常に敵意は持ってはいなかったという証拠もある。小田内通敏氏の示された次の一文は、何かの抄録らしいが元の書物は同氏も知らぬという。津軽での話である。
「中村・沢目・蘆谷村と云ふは、岩木山の※にして田畑も多からねば、炭を焼き薪を樵りて、活計の一助となす。此里に九助といふ者あり。常の如く斧を携へて山奥に入り、柴立を踏分け渓水を越え、二里ばかりも躋りしが、寥廓たる平地に出でたり。年頃此山中を経過すれども、未だ見たること無き処なれば、始めて道に迷ひたることを悟り、且は山の広大なることを思ひ、歎息してたゝずみしが、偶あたりの谷蔭に人語の聴えしまゝ、其声を知るべに谷を下りて打見やりたるに、身の長七八尺ばかりの大男二人、岩根の苔を摘み取る様子なり。背と腰には木葉を綴りたるものを纏ひたり。横の方を振向きたる面構へは、色黒く眼円く鼻ひしげ蓬頭にして鬚延びたり。其状貌の醜怪なるに九助大いに怖れを為し、是や兼て赤倉に住むと聞きしオホヒトならんと思ひ急ぎ遁げんとせしが、過ちて石に蹶き転び落ちて、却りて大人の傍に倒れたり。