Classici giapponesi con furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Leggi 山の人生 (やまのじんせい) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.022 caratteri · 226 schermate
しかも必ずしも魔所といわず、また有名な老木などのない地にも、やはり同様の奇怪はおりおりあって、或る者は天狗以外の力としてこれを説明しようとしました。例えば不思議の石打ちは、久しく江戸の市中にさえこれを伝え、市外池袋の村民を雇入れると、氏神が惜んでこの変を示すなどともいいました。また伐木坊という怪物が山中に住み、毎々大木を伐倒す音をさせて、人を驚かすという地方もあり、狸が化けてこの悪戯をするという者もありました。深夜にいろいろの物音がきこえて、所在を尋ねると転々するというのは、広島で昔評判したバタバタの怪、または東京でも七不思議の一つに算えた本所の馬鹿囃子の類です。単に一人が聴いたというのなら、おまえはどうかしていると笑うところですが、現に二人三人の者が一所にいて、あれ聴けといって顔を見合せる類のいわゆるアリュシナシオン・コレクチーブであるために、迷信もまた社会化したのであります。
私の住む牛込の高台にも、やはり頻々と深夜の囃子の音があると申しました。東京のはテケテンという太鼓だけですが、加賀の金沢では笛が入ると、泉鏡花君は申されました。遠州の秋葉街道で聴きましたのは、この天狗の御膝元にいながらこれを狸の神楽と称し現に狸の演奏しているのを見たとさえいう人がありました。