Classici giapponesi con furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Leggi 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 284.014 caratteri · 565 schermate
て、寒さに慄えてしまった。尤も晴れてさえいれば眺望も悪い筈はない。唯頂上まで藪で、三角点の附近は二尺許の笹であるから、名のいかめしさに似ず平凡であるのは止むを得ない。人夫の言に拠ると地図に井土沢とあるものが即ち剣ヶ倉沢で、井戸沢は水長沢山の西端が両岐した間に発する小さい沢であるという。剣ヶ倉山の西に発源する沢に就ては其名を知らなかった。
三角点から下りに向うと、尾根は急に痩せて、露岩の壁面が霧の中へ続いている場所もあった。稜角の尖い破片岩の露出が尾根を「窓」状に截っている場所も二、三ヶ所あった。それでも藪よりは此方が遥に楽である。岩峰を二つ許踰えたろう、すると一面に陣竹の生えた緩い斜面が前面に現われる、其中を横切って漸く懐しい草地へ出た。この藪の中で二、三本の竹が枝を交叉した所に作ってある鶯の巣を見付けた。巧に巣を作るのでうぐいすの名があるといわれるが、頬白に較べて大差はないようだ。確か柄長であったと思う、何でも鳥の羽で入口に蓋のある上手な巣を作るものがある。然し卵は小豆色で奇麗だ。中には孵化して間もない雛のいるのもあった。尾根通りは白檜、万作、偃松、石楠の藪であるから、絶えず左側の草地から草地へと縫うように辿って行く。