Classici giapponesi con furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Leggi 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 284.014 caratteri · 565 schermate
余りの馬鹿らしさに独り苦笑して、這い上る拍子にふと見ると実に驚いた。この直径六尺ばかりの擂鉢の底には、更に直径二尺許りの穴がある。ちょいと覗いただけでは底も見えない。余程深そうである。気味の悪い穴もあったものだ。それが笹に掩われているから尚更危険であると思った。
下りが恐ろしく急になる。木から木につかまって、漸く鞍部に着いた。小石を敷き均したようないい平で、小屋でもあったらしい跡がある。東からは長いガレが這い上って来ている。これからは笹はあるが楽な上りで、黒木の間を林班の杭とかすかな切明けとに導かれて、思い切り右の方へ迂廻した。間もなく高薙山へ続く尾根との分岐点に出る。白檜の若木が邪魔になって困った。それでも例の杭と切明けがあるので迷うようなことはない。倒木もあるにはあったが、むごたらしく風に吹き倒されたのは少ないようであった。
白檜の純林は何処までも続いている。禁猟区と書いた五尺余りの杭が、忘れた頃に先々と立っている。落葉が積ってふっくりと柔い土を踏んで、上るともなく上って行くと、小鳥の声さえも聞こえぬ淋しい黒木立の中で、咽ぶような幽な音が耳に入った。