Classici giapponesi con furigana
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Leggi 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 284.014 caratteri · 565 schermate
此辺までは大木が茂って下草は余り生えていなかったが、此処から頭の上が透いて薊や木苺が所嫌わず生えているので、手足がチクチク刺される。四、五町下ると石像の側に虚空蔵童子と書いた碑があって二十八町目と記してあった。もう二十八町下れば麓へ出られるのだ、急げ急げと独言して、薊、車前草、木苺などの繁った道を、沢について右に左に五、六回水を渉りながら、飛ぶように駆け下りた。余り調子に乗り過ぎて本道に出る二、三町手前で路を失ってしまったが、構わず林や草原の中を突き抜けて、十二時十分漸く広い道に出て一休みした。夫からゆるゆると五、六町も行った左手の高みに人家が見える。暫くして路は河近く下りて、向う岸へ登って行く路がある。後で聞くと其処が日向大谷で、両神神社の祠官の家の在る村だとのことであった。地図には私の通った道は記入してないが、集人から河の右岸に沿うて広い道の在ることは慥だ。恐らく之は近く造られた林道であろう。私はつまり地図に小さなガレの記入してある少し上手で河を左に渡らずに、其儘沢に沿うて下ったものらしい。
其日は更に六里歩いて吉田町に泊ったが、馬糞に蝶の群がる大道よりは、細い山路の方が矢張り懐しかった。