Classici giapponesi con furigana
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やまのみりょく
山の魅力
木暮 理太郎
Leggi 山の魅力 (やまのみりょく) di 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3956 caratteri · 8 schermate
今は大抵其中に万年雪がつまっているが、幾千年乃至幾万年の遠い過去には、小さな氷河が懸っていたのだといわれている。これがあると山が如何にも高山相を呈して立派に見える。北アルプスの黒岳や薬師岳や立山などが、槍ヶ岳や穂高岳よりも標高が低いにも拘らず、崇高で威厳ある姿を見せているのは、実に山の東側に多量の万年雪を蔵した大きな圏谷を四つも懸け連ねていることに原因するものと思うのである。針ノ木峠を初めて登った人が頂上に立って立山の東面を望み、其偉観に驚嘆の目を見張るのもこの圏谷ある為に外ならないのである。
雪の多い北アルプスでは、圏谷の万年雪から皆長い雪渓が走り下って、二十町以上に達するものさえある。遠くから眺めると恰も白竜の昇天するようでもあり、銀の延べ板を懸け列べたようでもある。この壮観を麓の森林の青葉越しに仰ぎ見た瞬間には、思わず心も体もすうと其方に引き寄せられる。雪渓は邪魔になる木や石がなく、歩き易いので登路に選ばれることが多い。雪の消えた両側の斜面には、春を待ちかねていた各種の高山植物が咲き乱れたり、角ぐむ草の芽立ちがほの紅く匂ったりして、登山者の目を楽しませ、近くの岳樺や深山榛の矮い林の中では、鶯、駒鳥、大瑠璃其他の小鳥が囀り交わして、快い響を漂わしている。