Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Leggi 山彦乙女 (やまびこおとめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 126.360 caratteri · 251 schermate

Aozora Bunko

重兵衛はなかまうちで、伝令、というあだ名がついている。つきあいが広くて、はや耳で口が軽い。わるぎは少しもないのだが、聞いたり見たりしたことは、ごくつまらないことでも、すぐ誰かに話さずにはいられない。自分でも気がさすのか、――われながらいまいましいんだ、しゃべったあとでいつも後悔するんだが、こいつばかりは病気なんだと思うね。などと云う。とにかく、これは誰それに話してやりたいと、思って、それを話さずにいると、胃のあたりがむず痒くなってくる、そうであった。

「しばらく、いつ帰ったの」

「今日で七日に、なる、かな」

村田平四郎はまぶしそうな眼をして、いつもの重たいような口ぶりで答えた。

彼は寺社奉行の役所に勤めているが、その用むきで、一年ばかり長崎へいっていた。公用のほかに、自分に必要な、本草学関係の書物や、資料を集める目的もあったのだが。

「今日のこと、よくわかったね」

「うん、……松室にね、……」

それでぽつんと切れた。

半之助は他の客の来ないうちにと思って、法事のあと、自分たちだけで、ぬけだす相談をもちだした。

「一議に及ばずだね」重兵衛は手を打たんばかりに、「木挽町の茶屋にしよう」