Classici giapponesi con furigana
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ぎゅうじん
山月記・李陵 他九篇
Leggi 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.608 caratteri · 84 schermate
非科学的と嗤われても、そうでも考えるより外、仕方が無いようである。よく手入された芋田と、美しい椰子林とを真昼の眩しい光の下に見ながら、この島の運命を考えた時、あらゆる重大なことは凡て「にもかかわらず」起る、といった誰かの言葉を思い出した。ものが亡びる時は、こんなものなのかと思った。科学者たちはその滅亡の跡を見て数々の原因を指摘しては得々としているが、その原因と称する所のものは、何ぞ図らん、原因ではなくて結果に過ぎないことが多いのである。
秋の終りの最後の薔薇に、思いがけなく大輪の花が咲くことがあるように、この島の最後の娘もあるいは素晴らしく美しく怜悧な子(もちろん島民の標準においてではあるが)ではあるまいかと、甚だ浪漫的な空想を抱いて、私はその女の児を見に行った。そして、すっかり失望した。肥ってこそいたが、うす汚い、愚かしい顔付の、平凡な島民の子である。鈍い目に微かに好奇心と怯えとを見せて、この島には珍しい内地人たる私の姿に見入っていた。まだ黥はしていない。大切にされているとは言っても、フランペシヤだけは出来ると見える。腕や脚一面に糜爛した腫物がはびこっていた。