Classici giapponesi con furigana
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ぎゅうじん
山月記・李陵 他九篇
Leggi 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.608 caratteri · 84 schermate
「ナポレオン先生、大人しくこの船に乗せられて、T島に移りますかな?」と私が言うと、「なあに、いくら悪だといったって、たかが島民の子供じゃないですか。問題じゃない」と警官がむきになって答えた。その声に、今までの会話の調子と違って、意外にも若干の憤激の調子が感じられ、ああ、私の今の言葉は島民の前には絶対権威をもつ警官への多少の侮辱に当るのかも知れぬと気が付いた。
S島がナポレオンの存在に困るからとて、T島にやったのでは、同じような無気力者の寄合に違いないT島でもやはりこの少年に手古摺るに違いない。もっと他に何か方法は無いものか。たとえばコロールの街で厳重な監視の下に労役に従わせるとか、そういう風な。それに、一体、この流刑という古風な刑罰を少年に課しているのは、どういう法律なのだろう? 日本人の籍をもたぬ彼ら島民、殊にその未成年者には、どんな法律が設けられているのだろう? 同じ南洋の官吏でいながら、まるで方面違いの、おまけにごく新米の私は、そんな事に全然無知だったので、少し訊ねて見たかったのだが、相手の機嫌を幾らか損じたらしい際でもあり、傍にいる島民巡警への顧慮も手伝って、それは控えることにした。