Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぎゅうじん

山月記・李陵 他九篇

中島 敦

Leggi 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.608 caratteri · 84 schermate

Aozora Bunko

と厚い唇の端をちょっとゆがめたきり、マリヤンは返辞をしないで、プールの面を眺めていた。月はちょうど中天に近く、従って海は退潮なので、海と通じているこのプールはほとんど底の石が現れそうなほど水がなくなっている。しばらくして、私が先刻のH氏の話のつづきを忘れてしまった頃、マリヤンが口を切った。

「でもねえ、内地の男の人はねえ、やっぱりねえ。」

なんだ。こいつ、やっぱり先刻からずっと、自分の将来の再婚のことを考えていたのかと急に私は可笑しくなって、大きな声で笑い出した。そうして、なおも笑いながら「やっぱり内地の男は、どうなんだい? え?」と聞いた。笑われたのに腹を立てたのか、マリヤンは外っぽを向いて、何も返辞をしなかった。

この春、偶然にもH氏と私とが揃って一時内地へ出掛けることになった時、マリヤンは鶏をつぶして最後のパラオ料理の御馳走をしてくれた。

正月以来絶えて口にしなかった肉の味に舌鼓を打ちながら、H氏と私とが「いずれまた秋頃までには帰って来るよ」(本当に、二人ともその予定だったのだ)と言うと、マリヤンが笑いながら言うのである。

「おじさんはそりゃ半分以上島民なんだから、また戻って来るでしょうけれど、トンちゃん(困ったことに彼女は私のことをこう呼ぶのだ。