Classici giapponesi con furigana
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ぎゅうじん
山月記・李陵 他九篇
Leggi 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) di Nakajima Atsushi (中島 敦) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.608 caratteri · 84 schermate
初め主人が不在とて、若い女が二人出て来て接待した。一見日本人との混血と分る顔立だが、二人とも内地人の標準から見ても確かに美人である。二人が姉妹だということもすぐに判った。姉の方がカブアの細君なのだという。
程なく主人のカブアが呼ばれて帰って来た。色は黒いがちょっとインテリ風の・三十前後の青年で、何処か絶えずおどおどしているような所が見える。日本語は此方の言葉が辛うじて理解できる程度らしく、自分からは何一つ言出さずに、ただ此方の言うことに一々大人しく相槌を打つだけである。これが年収五万ないし七万に上るという(椰子の密生した島を有っているというだけで、コプラ採取による収入が年にその位あるのだ)大酋長とはちょっと思われなかった。椰子水とサイダーと蛸樹の果とをよばれて、ほとんど話らしい話もせずに(何しろ向うは何一つしゃべらないのだから)家を辞した。
帰途、案内の支庁の人に聞く所によれば、カブア青年は最近(私が先刻見た)妻の妹に赤ん坊を生ませて大騒ぎを引起したばかりだとのことである。
早朝、深く水を湛えた或る巌蔭で、私は、世にも鮮やかな景観を見た。水が澄明で、群魚游泳の状の手に取る如く見えるのは、南洋の海では別に珍しいことはないのだが、この時ほど、万華鏡のような華やかさに打たれたことは無い。