Classici giapponesi con furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Leggi 嵐 (あらし) di 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 54.007 caratteri · 108 schermate
」
私はお徳の前に立って、肴屋の持って来た付木にいそがしく目を通した。それには河岸から買って来た魚の名が並べ記してある。長い月日の間、私はこんな主婦の役をも兼ねて来て、好ききらいの多い子供らのために毎日の総菜を考えることも日課の一つのようになっていた。
「待てよ。おれはどうでもいいが、送別会のおつきあいに鮎の一尾ももらって置くか。」
と、私はお徳に話した。
「末ちゃん、おまいか。」
と、私はまた小さな娘にでも注意するように末子に言って、白の前掛けをかけさせ、その日の台所を手伝わせることも忘れなかった。
「ほんとに、太郎さんのようなおとなしい人のおよめさんになるものは仕合わせだ。わたしもこれでもっと年でも取ってると――もっとお婆さんだと――台所の手伝いにでも行ってあげるんだけれど。」
それが茶の間に来てのお徳の述懐だ。
茶の間には古い柱時計のほかに、次郎が銀座まで行って買って来た新しいのも壁の上に掛けてあった。太郎への約束の柱時計だ。今度次郎が提げて行こうとするものだ。それが古い時計と並んで一緒に動きはじめていた。
「すごい時計だ。」
と、見に来て言うものがある。