Classici giapponesi con furigana
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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Leggi 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) di 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 81.548 caratteri · 161 schermate
「此処よ。」
と雪江さんが衝と其処へ入ったから、私も続いて中へ入った。奥様は明るいといったけれど、何だか薄暗い長四畳で、入るとブクッとして変な足応えだったから、先ず下を見ると、畳は茶褐色だ。西に明取りの小窓がある。雪江さんが其を明けて呉れたので、少し明るくなったから、尚お能く視廻すと、壁は元来何色だったか分らんが、今の所では濁黒い変な色で、一ヵ所壊れを取繕った痕が目立って黄ろい球を描いて、人魂のように尾を曳いている。無論一体に疵だらけで処々鉛筆の落書の痕を留めて、腰張の新聞紙の剥れた蔭から隠した大疵が窃と面を出している。天井を仰向いて視ると、彼方此方の雨漏りの暈したような染が化物めいた模様になって浮出していて、何だか気味の悪いような部屋だ。
「何時の間にか掃除したんだよ。それでも奇麗になったわ」、と雪江さんは部屋の中を視廻していたが、ふと片隅に積んであった私の荷物に目を留て、「貴方の荷物って是れ?」と、臆面もなく人の面を視る。
私は狼狽てて壁を視詰て、
「然うです。」
「机がないわねえ。私ン所に明いてるのが有るから、貸て上ましょうか?」
「なに、好いです明日買って来るから」