Classici giapponesi con furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Leggi 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.946 caratteri · 34 schermate
目ッぱの吉五郎のほうは、享和三年、同じく延命院の伏魔殿を突きとめ、悪僧日潤を捕って押えたお手先。これで、北番所の名題どころが全部顔が揃ったわけ。
神田権太夫は、葭簀のそばに腕組みをして突っ立っている重右衛門をジロリと尻目にかけ、ツカツカと象の胸先のほうに寄って行って、血の滲み出している辺をツクヅクと眺めていたが、そばに引添っていた菘庵のほうへ振りかえり、
「先生、嗅いただけでははっきりしたことは言えませんが、これは、人間の血じゃないでしょうか。犬猫の血なら、もうすこし毛臭えはず」
菘庵は、指先で血を取って、指頭で捻って小首をかしげていたが、急にひき緊った顔つきになって、
「この粘り加減では、どうやら人血」
「うむ」
「仮に、体内で死んでいるのが犬猫なら、こうまで夥しい血の香はいたさぬはず。この葭簀へ入った途端、プンと血の香がいたしましたことから推しますと、象の腹中には相当多量の血が溜っているのだと思われます」
「ご尤も」
小泉忠蔵は、引きとって、
「菘庵先生のお推察通り、もしこの象の中に人間が死んでおるのだとすれば、これは何とも奇ッ怪。何のためにかようなところへ死体などを塗込んだものであろう。