Classici giapponesi con furigana
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
Leggi 平賀源内捕物帳 (ひらがげんないとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.367 caratteri · 36 schermate
源内先生は、
「おッ、あれだな」
と呟きながら、呆気に取られてその方を眺めていたが、
「杭州から福県のあたりを荒し廻った海賊の五島我馬造が隠居所に建てた唐館だそうだが、それにしても酔狂にも程がある。どちらを見ても葦ばかり、一向眺めとてもないこんな湿地に何のつもりであんなものを押ッ建てたのだろう。海賊なんてえものは変ったことをするものだ」
と、独言をいっていたが、急に首を振り、
「いやいや、そうじゃない。堤を越えるとすぐ淀川。まわりに人家とてもないのだから、どんな芸当でも出来そうだ。夜に紛れて上荷船で密貿易の品を運び上げ、よくないことでもしていたのに違いない。……それはそれとしても、唐木屋利七は、一体、何のためにこんなところに用があッたンだろう。そんな男とは見えなかったが、何と言ってもあいつの商売は支那物なのだから、あんな顔をしてこッそり抜買をしていたのかも知れん。して見ると、おれの見込はまるッきり大外れになるわけだが。まア、しかし、こんなことを言ッてたってしようがない。……間違いなら間違いでもよろしい。折角ここまでやって来たんだから、兎も角、内部へ入って見ることにしよう」